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渇き

『渇き』
中島哲也
☆4

傑作かな、と思う理由がある。
ただ、評価が低いのも納得。
見方によって評価が死ぬほど変わる映画。
例えば伏線がどうのこうのとか言ってる人は見方がかなり甘いかな、と思う。思うがそれも好みの範囲か。
何れにせよ、好みの範囲とか言ってる内は言語が意味を持たなくなる。

この作品が傑作である理由は、他の映画にない要素があるからだ。
それは
"整合してくる狂気の快感"である。
徹底的なまでに一貫した狂気に馴染むか、世界観として認めるか、嫌いか。凡そこの三択を鑑賞者は迫られる。

この作品の見方は、そこには無い。
この作品は、狂気の快楽や愉悦だ。狂気を「そういう人間」として観るのではなく、徹底的に【狂気そのもの】として鑑賞し続けた時、この作品の評価は大きく変わる。

まるで一点の翳りもないフラクタルみたいに、まるで一考の余地もない正解かのように、狂気を理解する。
この作品のメッセージは愛や正義じゃなく、狂気そのものだ。
狂気の正体と、人間の奥底にある狂気との共鳴である。

この作品は狂気そのものを表現することに終始する。
一貫して狂気以外を語らない。
世界は要らない、理由は要らない、人間が居て結果として必然的に狂気がある。

頑ななまでに、狂気だけが主軸であり、主人公であり、狂気という衝動をストイックに魅せ続ける。

狂気があってその狂気との化学反応を確かめる。
狂気そのものがいつの間にか脳内に染み込んでくる。

故にこの作品は他のどの狂気を扱った作品よりも狂気を説明させない。
それが傑作の理由である。

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