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劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者

劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者
水島精二
☆5

中学生くらいの時に1回目、高校の時に2回目、今回で3回目の鑑賞となった。
本来、同じ作品を観ることは無いのだが、この映画は印象に残るシーンが多くて5年スパンくらいで何となく観たくなるのだ。

あと、1回目はほとんど何言ってるのか分からなくて、2回目もほとんど分かってなくて、今回でようやく全部理解した。

そもそも何かを観たり読んだりする時、理解しようと思ってその作品に注力することが全くない人間だったのでそれも頷ける。

結論から言うと何から何までよく出来た傑作である。
18年も前の作品とは思えないほど完成度が高く、その中でも世界観と終わり方、そして作中の音楽シーンやダンスシーンはセンスの塊である。

注意点としては、鋼の錬金術師のアニメ版一期のスピンオフ(続き?)としてこの作品が作られている点である。
私は一期は全て試聴しておらず、二期(Fullmetal Alchemist)の感覚で観たのだが途中でいくつか違和感が生じ、鑑賞後に調べてみるとなるほどそういうことか、となった。

鋼の錬金術師は原作(漫画)とアニメの関係性が特殊で、アニメ版一期がアニメオリジナルストーリー、二期が原作準拠となっている。
原作が進んでいないタイミングでアニメ化したためである。

一期と二期の違いだけが分かっていればほとんど理解出来るので、そこだけは確認しておきたい。
ただし、鋼の錬金術師を全く知らずに観ることはオススメしない。
作中で何も説明してくれないので。

評価点①
世界観。
舞台はナチス・ドイツ。
一期ってそういう話だったのか?
絶対違うと思うので、この発想を具現化するのは凄まじい。
ハガレンというのはいわば倫理的な内容の作品であり、人間的な内容の作品なのだが、なるほどナチス・ドイツという舞台はそのテーマに対して案外違和感がない。

加えて、ナチス・ドイツの世界線とハガレンの世界線が"扉"によって繋がるパラレルワールドもの。
たとえ発想こそしてもこれを完成させようと誰が思うだろうか。

更に、ヒロインはナチス・ドイツ側の世界線における異民族(ジプシーという多国家移動型民族、実際に存在した)ときた。
ユダヤ人迫害の風潮はそのままに、無論ドイツ人以外への風当たりは強く、(その世界線での)故郷がないというエドとの共通項から物語が始まる。

ハッキリ言ってよく出来すぎている。これより良くならない。

評価点②
音楽シーン、ダンスシーン。
OPのL'Arc-en-Cielの『Link』はそこまで好きじゃないのだが、EDの『LOST HEAVEN』は中学の頃から好きで、この作品を見返そうと思う一番の理由はこのエンディングの入り方がめちゃくちゃ好きだからだ。
今回も改めて思った。たまらん。
このたまらん度は『STEINS;GATE』で主人公が未来の自分と話す時の
「特に意味はない」
のシーンと同じくらいである。

物語序盤のカーニバルに向かうシーンで、車の荷台に乗りながらキャラクターが歌う音楽もめちゃくちゃ良い。
ラテン系とケルト民謡を足したみたいな、完璧な音調。
素晴らしい。完璧。完全無欠である。

そして極め付けはED。
LOST HEAVENのイントロはこの作品のあの瞬間のために作られている。
思えば『Driver's High』だってGTOのOPのために作られたのでは?という感じだったもんね。

評価点③
絶対悪がいないこと。
ガンダムでも言えることなんだけど、やはり戦争という観点において絶対悪が存在していないのは良い。
幼少期にガンダムを観るとジオン軍は悪だ!となる訳だけど、この歳にもなると考え方も増えているので感じ方も少しずつ変わってくるのだ。

評価点④
とにかく切ない。
実はこの作品、とにかく切ない。
言い得ぬ切なさ、というか。
あぁ~…うぅ~…
みたいな切なさ。
でも同時に
あぁ~(LOST HEAVENの前奏の良さに頭を抱える様)
となりながら終わりを迎える。


アニメ映画ではナウシカの次に傑作なんじゃないかな、これ。


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